2024.11.08 update

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ウイスキーの歴史と高級ウイスキーの魅力 〜至高の一杯への旅路〜

ウイスキーの歴史と高級ウイスキーの魅力 〜至高の一杯への旅路〜

今回は、数世紀にわたる歴史の中で、蒸溜と熟成の技術を磨き上げ、豊かな風味と深い味わいで多くの人々に愛されてきました「ウイスキー」。 そのルーツを探りながら、スコットランドやアイルランド、そして、以前の記事でも紹介しきれなかった、ジャパニーズウイスキーに至るまで。今日のウイスキー愛好家たちが憧れる高級ウイスキーの魅力にも触れながら、シングルモルトやブレンデッドなどスタイルごとに感じることのできる豊かな体験について解説します。 特に人気の「山崎」や「マッカラン」がなぜ世界中で愛されているのか、その理由に迫ります。 ウイスキーの起源と歴史 スコッチとアイリッシュウイスキーの発展 スコッチウイスキー アイリッシュウイスキー 日本のウイスキー革命 高級ウイスキーの特徴と価値 人気の銘柄「山崎」や「マッカラン」の魅力 まとめ ウイスキーの起源と歴史 ウイスキーの歴史はとても古く、紀元前に「アクア・ヴィタエ」として宗教的な目的で使用されていたとされています。 主には中世ヨーロッパで、修道院などが背景にあります。具体的には、修道士たちが瞑想や祈りに集中する際、「助け」として使われていました。アルコールの効果でリラックス状態になり、精神を鎮めて神とのつながりを深めるために、少量の「アクア・ヴィタエ」が用いられることがあったとされています。 その後、アイルランドでは「アクア・ヴィタエ」が早い時期から蒸留されており、ケルズ修道院などで修道士たちが医薬用として蒸留酒を生産していたとされています。この蒸留酒が後に「ウシュクベー」と呼ばれ、現代のウイスキーの元祖となったと考えられています。やがてイギリス中で広く飲まれるようになります。 一方、スコットランドでは、ケルト系修道士たちが早期から蒸留技術を取り入れ、医薬品としての蒸留酒を生産していました。リンディスファーン修道院はその代表的な例であり、ここでの蒸留技術がスコッチウイスキーの誕生に大きな影響を与えたと伝えられています。 こうした修道院での蒸留技術が、ヨーロッパ各地に伝播し、一般の人々にも広がっていきました。特に先で紹介したスコットランドとアイルランドの修道院での技術が基礎となり、各地の農家や小規模な蒸留所でもウイスキーの生産が始まるようになりました。 アクア・ヴィタエ 「アクア・ヴィタエ (Aqua Vitae)」はラテン語で「命の水」を意味します。 蒸留酒は、薬草やハーブのエキスを抽出し、それを「エリクサー」として保存するために使われました。蒸留によって抽出された薬草のエキスは、風邪や胃の不調などの治療に使われ、癒しの力があるとされました。こうしたエリクサーは、命の水として信じられていたため、このことから「命の水」の名で呼ばれることになります。 この言葉はやがてスコットランドやアイルランドで派生語となり「ウスケ・ベハ」や「ウシュクベー」となり、それが変化して「ウイスキー」という言葉になったとされています。 スコッチとアイリッシュウイスキーの発展 スコットランドとアイルランドは、それぞれの文化と自然に応じた製法を発展させたことで、ウイスキーの異なる個性が確立され、両者は現代のウイスキー市場において、互いに異なる魅力を持つ重要な存在となっています。 スコッチウイスキーの発展 スコッチウイスキーの発展は、スコットランドの厳しい気候と豊かな自然が影響しています。スコットランド特有の泥炭(ピート)を燃料に使用することが多く、そのためスコッチウイスキーには独特のスモーキーで深い香りが感じられます。特にアイラ島やハイランド地方のウイスキーはピートの香りが強く、複雑な風味を持つのが特徴です。 スコットランドでは、ウイスキーの製造に長い熟成期間が必要とされ、最低3年間樽で熟成させることが義務付けられています。多くの蒸留所が長期熟成を重視し、シェリー樽やバーボン樽で熟成させることで、より深い味わいや複雑な香りを引き出しています。18世紀にスコットランドでウイスキー税が導入された際、多くの小規模蒸留所が密造を余儀なくされましたが、その際に、蒸留技術や熟成方法が進化し、現代のスコッチウイスキーの基盤が築かれました。また、グレンリベットやマッカランといった蒸留所が、品質の高さから国際的な評判を得てスコッチウイスキーの地位を確立する一因となりました。 アイリッシュウイスキーの発展 一方で、アイルランドのウイスキー、アイリッシュウイスキーは、滑らかで飲みやすい風味が特徴です。アイルランドでは通常、3回の蒸留が行われ、これがまろやかな口当たりを生み出しています。アイリッシュウイスキーの製造では、ピートを使わないことが多いため、スモーキーさがなく、フルーティーでソフトな味わいが際立っています。これはアイリッシュウイスキーが広く飲みやすいとされる理由の一つです。 アイルランドでもウイスキー税が課せられたことから、多くの蒸留所が規制の網を避けるために密造や違法蒸留を行いましたが、これにより蒸留技術が進化しました。特にジョン・ジェームズンが創設したジェームズン蒸溜所は、独自の製法と技術革新によって、アイリッシュウイスキーの品質を高め、国際市場で評価されるきっかけを作りました。アイリッシュウイスキーのソフトでスムーズな味わいは、アメリカやヨーロッパの市場で愛され、今日でも世界中で人気のあるスタイルとなっています。 日本のウイスキー革命 1923年、日本で初めての本格的なウイスキー蒸溜所が創業し、ウイスキー製造が本格化します。ジャパニーズウイスキーに関しては、「なぜジャパニーズウイスキーは世界から人気なのか?!」に詳しく書かせていただいておりますのでご覧ください! 今回は高級ウイスキーに着目したいと思います。戦後、日本のウイスキーは国際的な評価を獲得するようになり、1970年代から80年代にはアメリカやヨーロッパにも進出しました。 「山崎」や「響」などの銘柄は、精緻な味わいとバランスが取れた香りで国際的なウイスキー賞を受賞し、日本のウイスキーが世界市場で認められる礎となりました。 高級ウイスキーの特徴と価値 高級ウイスキーは、原料や製造過程、そして長期間の熟成によりその価値が高まります。例えば、シングルモルトウイスキーは一つの蒸溜所でのみ生産され、個性豊かな香りと味わいが特徴です。長期熟成されたウイスキーは、時間とともに木樽からの香りが複雑に絡み合い、深みと豊かさをもたらします。また、限られた生産量や歴史的な背景も、価値を高める要素のひとつです。 人気の銘柄「山崎」や「マッカラン」の魅力 世界中のウイスキー愛好家から高く評価されている銘柄には「山崎」や「マッカラン」があります。「山崎」は、日本独自の風土で生まれたウイスキーで、滑らかな口当たりと豊かなフルーティな香りが特徴です。一方で、「マッカラン」はスコッチウイスキーの代表的な銘柄で、シェリー樽で熟成されることで甘みと濃厚な風味が際立ちます。どちらの銘柄も、その高品質な製造過程と熟成へのこだわりから、高級ウイスキーとしての地位を確立しています。 まとめ ウイスキーは、長い歴史の中で様々な土地と文化の影響を受けて進化してきた「命の水」です。 スコットランドやアイルランドで始まり、日本や他の国々にも広がる中で、それぞれの特徴が生まれ、異なる風味や香りが織り成されてきました。そして、今日、山崎やマッカランといった高級ウイスキーが世界中で高く評価される理由には、長期熟成と丁寧な製造工程、地域ごとの独自のスタイルが関わっています。 これらのウイスキーはただの飲み物以上のものであり、歴史と文化、職人の技が凝縮された一杯にほかなりません。 ウイスキーを楽しむとき、その歴史や背景に思いを馳せることで、味わいがさらに深まるでしょう。ぜひ、皆さまの至極の一杯をお聞かせください!
畑と生産者ごとの個性際立つ、ブルゴーニュ地方のワイン

畑と生産者ごとの個性際立つ、ブルゴーニュ地方のワイン

フランスの中東部に約300kmにわたって延びる、ブルゴーニュ地方。ボルドー地方と並ぶ、フランスワインの銘醸地として知られています。 大規模な生産者が多いボルドーとは逆に、畑が細分化された産地の特徴と、主要な生産者を紹介しつつその魅力に迫ります。 小規模かつ、単一品種で造られる 世界に名を馳せる、主要な生産者の代表銘柄 DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)「ロマネ・コンティ」 アルマン・ルソー「ジュヴレ・シャンベルタン」 アンリ・ジャイエ「リシュブール グラン・クリュ」 リジェ・ベレール「ラ・ロマネ」 コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ「ミュジニー」 メゾン・ルロワ そのほかの生産者 「シャブリ」や「ボージョレ」も 小規模かつ、単一品種で造られる 冒頭で述べた通り、ブルゴーニュ地方の畑は非常に細分化されており、さらにひとつの畑を複数の生産者が所有している場合もあります。そのため、造り手ごとの生産量はどうしても少なくなり、特に格付けが高いワインは高値で取引されます。 加えてブルゴーニュ地方では、「ピノ・ノワール」を用いた赤ワインと、「シャルドネ」の白ワインが、いずれも単一品種で造られるのがメジャーです。つまりブドウの個性が、ワインの味わいにダイレクトに影響します。「ワインは農産物」「隣どうしの畑でもワインの出来が違う」という、ワイン独自の特色が、色濃く反映されているのがブルゴーニュワインと言えるのです。 世界に名を馳せる、主要な生産者の代表銘柄 畑と造り手の個性が強いということは、ブルゴーニュ地方全体や、地区でひと括りにして語るのが難しい、ということ。ここではまず、世界的に高値で取引される、主要な生産者の代表銘柄を見ていきましょう。 DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ) 「ロマネ・コンティ」 ブルゴーニュ地方中東部のコート・ド・ニュイ地区にある、ヴォーヌ・ロマネ村を代表する生産者。特級畑から獲れたピノ・ノワール100%で造られる「ロマネ・コンティ」は、世界最高級の赤ワインのひとつです。平均価格100万円前後と非常に高価で、当たり年のボトルには億単位の値が付けられることもあります。単独所有するわずか1.8ヘクタールの畑から獲れるピノ・ノワールのみを使用するため、生産量は年間5000~6000本。包み込むようなエレガントな香味が、唯一無二のものとして世界的に評価されています。 アルマン・ルソー 「ジュヴレ・シャンベルタン」 “ブルゴーニュの頂点”とも賞される、コート・ド・ニュイ地区最大のジュヴレ・シャンベルタン村を拠点とする家族経営の大生産者。所有する畑の半分以上が特級畑に認定されており、その土壌本来の力を活かすため、肥料を使わず、農薬もボルドー液や硫黄など古典的なものに限るなど、伝統的な農法にこだわっています。「ジュヴレ・シャンベルタン」は、ナポレオンも愛したとされる銘酒。完熟手前のほどよい熟度で収穫されたピノ・ノワールの、ピュアでみずみずしい香味と、上品で深いコクを併せ持っています。 アンリ・ジャイエ 「リシュブール グラン・クリュ」 コート・ド・ニュイ地区のヴォ―ヌ・ロマネ村の生産者で、“ブルゴーニュの神様”とも賞される伝説的な存在。2001年ヴィンテージを最後に生産が停止し、アンリ・ジャイエ氏自身が2006年に逝去されたため、彼が造った銘柄は市中在庫が減り続けています。1本800万円の値が付けられることもあり、贋作が多く出回っているのも実状です。ワイン造りにおいては、農薬や化学肥料を最低限まで減らす農法「リュット・レゾネ」や「低温浸漬(コールドマセレーション)」、余分なタンニンの流入を防ぐ「100%除梗」など、画期的なスタイルを多数採用。代表銘柄「リシュブール グラン・クリュ」は、特級畑のピノ・ノワールの芳醇な果実味・タンニンと、スパイス感もある魅惑的な味わいです。 リジェ・ベレール 「ラ・ロマネ」 DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)と肩を並べる、コート・ド・ニュイ地区のヴォ―ヌ・ロマネ村で1815年に創業した名門。7代目のルイ・ミッシェル・リジェ・ベレール氏は、ブルゴーニュの神様と言われたアンリ・ジャイエ氏などに師事し、2000年に初ヴィンテージを発表しました。2002年にはフラッグシップの「ラ・ロマネ」をリリース。馬を利用した耕作など、自然の力で畑とブドウの生命力を高める「ビオディナミ農法」への真摯な取り組みが光ります。ピノ・ノワールの芳醇さと、樽のニュアンスが美しく調和した味わい。 コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ 「ミュジニー」 コート・ド・ニュイ地区のシャンポール・ミュジニー村の主要な生産者。特級畑ミュジニーのうち、70%を所有しています。“エレガンス”を最大限に引き出すことがモットーで、樽の香りが移りやすい新樽の使用比率を抑え、ブドウ本来の味わいを活かしています。また、代表銘柄「ミュジニ―」は、ブドウの樹の“樹齢”にもこだわり、樹齢25年以上の古樹から獲れたピノ・ノワールのみを使用。特級畑の圧倒的なミネラル感と、果実の凝縮感が魅力です。 メゾン・ルロワ シャルドネ種による白ワインの銘醸地である、オーセイ・デュレス村で1868年に創業。自社畑を持たず、他社からブドウを買い付けてワイン造りを行う「ネゴシアン」として活躍しています。特に現オーナーのラルー・ビーズ・ルロワ氏(マダム・ルロワ)は、ブルゴーニュ地方随一のテイスティング能力を持つと言われ、ブドウではなくワインの状態で買い付けるのが特徴です。それらを自社のセラーで熟成し、マダムの審美眼で飲み頃と判断されたものがリリースされています。ピノ・ノワールの赤、シャルドネの白が多彩にラインナップされているほか、自社でブドウの栽培から手がける「ドメーヌ・ルロワ」は、特に希少性が高い逸品。 そのほかの生産者 ピノ・ノワールの赤だけでなく、シャルドネを用いた白ワインにも注目したいところ。上記以外の著名な生産者を抜粋し、ひと言コメントとともにまとめました。 <ルフレーヴ> ピュリニー・モンラッシェ村発の、世界最高級の白ワイン。 <エティエンヌ・ソゼ> ピュリニー・モンラッシェ村最良の造り手。 <エマニュエル・ルジュ> “ブルゴーニュの神様”アンリ・ジャイエ氏の後継者。 <フーリエ> ジュヴレ・シャンベルタン村を本拠地に、一世紀以上続く古豪。 <ジョルジュ・ルーミエ> シャンボール・ミュジニー村のエレガンスを体現。 <ジャック・フレデリック・ミュニエ> 繊細かつ華やかな、シャンボール・ミュジニー村の名手。 <フィリップ・パカレ> “自然派”ムーブメントの立役者。 <プリューレ・ロック> 厳しいビオディナミ農法と全房発酵を実践。 「シャブリ」や「ボージョレ」も シャルドネによるすっきりとした辛口に定評のある「シャブリ」は、ブルゴーニュ地方最北端の地区で造られる白ワイン。また、ガメイの単一品種で造られる赤ワインで、特に毎年リリースされる新酒「ボージョレ・ヌーボー」で知られる「ボージョレ」地区は、ブルゴーニュ最南端に位置しています。 ひとつの造り手が、特徴の異なる複数の畑を所有している場合も多く、産地の全体像をつかみにくいブルゴーニュ地方のワイン。しかしそのぶん造り手ごとの個性が多彩なので、バックストーリーも含め、まずは好きな造り手を見つけてみるのもよいかもしれません。
なぜジャパニーズウイスキーは世界から人気なのか?!

なぜジャパニーズウイスキーは世界から人気なのか?!

今回は、近年高騰化を続ける「ジャパニーズウイスキー」 キーパーソンになった二人の日本人に焦点を当てながら、その歴史についてお届けさせていただきます! ウイスキー製造は大阪発?! ジャパニーズウイスキーの夜明け 竹鶴政孝(1894-1979) 鳥井信治郎(1879-1962) ニッカウヰスキーの誕生と発展 ウイスキーブームと低迷 近年の世界的評価 まとめ ウイスキー製造は大阪発?! 日本でのウイスキーの歴史は、19世紀後半まで遡ります。当時、明治維新を機に西洋化を進める日本は、これに伴って西洋の文化や技術も多く日本に入ってくることになります。ウイスキーもその一環として輸入されるようになり、日本人の間でも少しずつ認知されるようになりました 日本での最初のウイスキー製造は1870年頃、大阪の商人が行ったとされています。当時の技術ではスコッチウイスキーのような本格的なものは生産できず、現在のように高い品質ではなかったといわれています。この時期のウイスキーは、まだ大衆向けではなく、外国人や富裕層向けのものでした。 ジャパニーズウイスキーの夜明け ジャパニーズウイスキーの本格的な歴史の夜明けは、1920年代です。そこで、特に重要な人物として挙げられるのが、竹鶴政孝と鳥井信治郎の2人です。 竹鶴政孝は、ウイスキー製造を学ぶために1920年にスコットランドへ留学しました。彼はスコットランドの伝統的なウイスキー造りを学び、日本に戻ると、その知識を活かしてジャパニーズウイスキーの基盤を築きました。 一方、鳥井信治郎はサントリー(当時は「寿屋」)の創業者であり、竹鶴の知識を活用し、日本で初の本格的なウイスキー製造を開始します 1923年、寿屋に10年間の約束で入社した竹鶴さんは、この頃にはすでにウイスキー作りの理想の地は北海道であると考えていて、鳥井にもその考えを伝えましたが、鳥井はウイスキー発祥である大阪に近いところに蒸留所をつくると決めており、蒸留所は大阪の山崎に決まりました。 竹鶴はその技術面で重要な役割を果たし、1929年に日本初のシングルモルトウイスキー「サントリー白札」が発売されました。この時期のウイスキーはまだ日本人の口に合わないとされましたが、徐々に改良が進み、次第に人気を集めました。 竹鶴政孝(1894-1979) ジャパニーズウイスキーの父と称される人物です。広島県に生まれた彼は、1918年にスコットランドに渡り、現地でウイスキー製造を学びました。その際、学んだウイスキー製造工程のすべてをメモに残し、さらに自らの意見を添えて書き記したものが『実習報告』と題された「竹鶴ノート」として記録されました。 内容は誰もが驚くほど詳細で、後に日本におけるウイスキー造りの基礎を築く重要な要素となります。 帰国後、竹鶴は寿屋(現サントリー)に加わり、1923年に設立された山崎蒸留所で日本初の本格的ウイスキー製造を主導しました。「ウイスキーづくりは設備ではなく、人の心だ」と提言するほどの情熱や理想と、サントリーの方針との違いから、1934年に独立し、ニッカウヰスキーを設立しました。北海道余市でスコットランドの製法に基づいたウイスキー造りを開始し、ニッカブランドは後に国内外で高い評価を得ます。 竹鶴の生涯は、スコッチウイスキーの伝統と日本独自の文化を融合させ、世界に認められるジャパニーズウイスキーを生み出す礎となりました。 鳥井信治郎(1879-1962) 日本のウイスキー産業の創始者であり、サントリー(元は寿屋)を設立した実業家です。彼は、輸入に頼るアルコール飲料市場を見直し、国内生産を目指しました。ワイン製造からキャリアをスタートさせた鳥井は、日本人の口に合う洋酒を提供しようと試行錯誤を重ねました。 1923年、京都の山崎に日本初の本格的なウイスキー蒸留所を建設し、1929年には、寿屋の社長として竹鶴氏を招き入れ、ウイスキー造りに専念させました。そして「サントリー白札(現:サントリーウイスキー白州)」を発売。初期の製品は日本の市場であまり受け入れられなかったものの、彼は諦めず、日本人の味覚に合うウイスキーの開発を続けました。 鳥井の企業理念「やってみなはれ精神」は、挑戦を恐れない革新的な姿勢を表しており、彼のウイスキー事業はやがて日本国内外で高い評価を得ました。今日、サントリーは世界的な飲料メーカーとなり、彼のビジョンは大成功を収めました。 ニッカウヰスキーの誕生と発展 竹鶴政孝は、その後サントリーを離れ、自身のウイスキー会社「ニッカウヰスキー」を1934年に設立しました。 彼は、スコットランドの気候に似た環境で、ウイスキー作りの理想の地は北海道であると考え北海道の余市を製造拠点にウイスキー製造を開始しました。ニッカウヰスキーはスコッチスタイルを重視し、よりピート香が強いウイスキーを生産しました。 これにより、サントリーとニッカという日本のウイスキー業界の2大巨頭が誕生することとなります。 ウイスキーブームと低迷 第二次世界大戦後、日本は復興を進める中で、ウイスキーが大衆に浸透していきました。戦後の経済成長とともに、日本国内でウイスキーの消費が増加し、特に1960年代から1970年代にかけては、日本酒やビールに次ぐ人気のアルコール飲料となりました。 さらに、1980年代に入ると、ジャパニーズウイスキーは国内外で高い評価を受けるようになります。 特にサントリーの「山崎」や「響」、ニッカの「竹鶴」などが国内外の賞を受賞し、その品質が広く認められるようになりました。 しかし、1990年代に入ると日本国内でのウイスキー消費が減少し、ジャパニーズウイスキー業界は一時的な低迷期を迎えます。この原因は、日本人の飲酒スタイルが変化し、ビールや焼酎が主流になったこと、またウイスキーが高級品としてのイメージが強まりすぎたことにあります。 近年の世界的評価 2000年代に入ると、ジャパニーズウイスキーは再び注目を集めるようになります。特に、2003年にサントリーの「響」がイギリスのウイスキーコンペティションで最高賞を受賞したことや、2010年代にニッカウヰスキーの製品が国際的なコンテストで多数の賞を受賞したことが大きな転機となりました。 ジャパニーズウイスキーの特徴は、その滑らかでバランスの取れた味わいにあります。スコットランドの伝統を尊重しながらも、日本ならではの繊細な製法や素材を活かし、独自のスタイルを確立しました。 これにより、世界中でジャパニーズウイスキーの需要が急増し、特にプレミアムウイスキーとして高い評価を受けるようになりました。 近年では、海外市場でも高い人気を誇り、希少価値の高いヴィンテージウイスキーは高額で取引されています。 まとめ ジャパニーズウイスキーは、竹鶴政孝と鳥井信治郎という2人の先駆者によってその基盤が築かれ、近年では国際的な評価が高まり、世界中のファンから愛されています。 まだ、短い歴史のジャパニーズウイスキーは独自の品質と伝統を持ち続け、今後も発展し続けることに期待しましょう。
ボルドーワインと五大シャトーの魅力

ボルドーワインと五大シャトーの魅力

深いワインレッドカラーを指して「ボルドー」と称するほど、赤ワインの代表格であるフランスのボルドーワイン。今回はその格式と魅力に迫ります。 “ワインは農産物”と言われる理由 ボルドー地方のワインの特徴 「五大シャトー」とは? シャトーってなに? メドック格付け1級の、5つのシャトー 五大シャトー紹介 シャトー・ラフィット・ロートシルト シャトー・マルゴー シャトー・ラトゥール シャトー・オー・ブリオン シャトー・ムートン・ロートシルト その他の高級ボルドーワイン シャトー・ペトリュス シャトー・ル・パン シャトー・オーゾンヌ シャトー・シュヴァル・ブラン シャトー・ディケム “ワインは農産物”と言われる理由 ボルドー地方のことに触れる前に、まずは「産地」がワインにおいてなぜ重要視されるのかに触れておきましょう。ワインは、「収穫したてのブドウをつぶし、酵母を加えて発酵させる」という、酒類の中でも非常にシンプルな製法を基本としています。そのため、ブドウの出来がワインのクオリティにダイレクトに影響するので、ワインの産地は、ほぼそのままブドウの産地と言えるのです。 産地を構成する要素は、気温・湿度、日照時間、降水量のほか、土壌、標高や傾斜など。さまざまな条件が、ブドウの生育に影響を与えます。また、ブドウの品種によって適した条件は異なります。 ボルドー地方のワインの特徴 では、ボルドー地方とはどのような産地で、どのようなワインが生まれるのでしょうか。 ボルドー地方は、フランスの南西部に位置し、ガロンヌ川、ドルドーニュ川、ジロンド川の3つの流域にまたがる、温暖な海洋性気候に抱かれた産地です。赤ワインを代表する産地として、世界的に知られています。 ボルドー地方の赤ワインは製造方法にも大きな特徴があり、それは数種類のブドウ品種をブレンド(現地の言葉でアッサンブラージュ)して造られるということ。おもにカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フランという3品種を、造り手独自のバランスで混ぜ合わせて醸造されます。味わいは、力強くもエレガント。長期熟成が可能なワインも多く、何十年も前のオールドヴィンテージのワインは、非常に高価で珍重されています。 「五大シャトー」とは? シャトーってなに? ボルドーワインの名前には「シャトー」が付いていることが多いですが、これはChateauと書き“城”という意味のフランス語。自社畑を持ち、ブドウの栽培からワイン醸造までを一手に担う栽培家兼醸造家のことを、シャトーと呼んでいます。城という意味にふさわしく、ボルドー地方には広大な畑と醸造所を所有するシャトーが多いのが特徴です。広い敷地で複数のブドウ品種を栽培できることが、造り手それぞれのアッサンブラージュ技術の発展に結びついてきました。 メドック格付け1級の、5つのシャトー ボルドーの赤ワインを代表する5つの造り手は、五大シャトーと呼ばれています。この等級を決めているのは、「メドック格付け」というボルドー地方メドック地区のシャトーを対象にした格付け。1級から5級まであり、最上位の1級に分類されるのが、わずか5つのシャトーというわけです。1855年のパリ万国博覧会の際に、ナポレオン三世の要請によりメドック地区のシャトーが格付けされ、現在では計61シャトーが対象となっています。この格付けは長い間改訂がされておらず、その伝統もあって、五大シャトーのワインには高値が付けられているのです。 メドック地区はボルドー地方の北側、ジロンド川の左岸に南北に伸びる地区。ボルドー地方にはこのほか、グラーヴ地区やソーテルヌ地区、サン・テミリオン地区など、メドック地区以外の銘醸地が複数あります。 五大シャトー紹介 ここからは、五大シャトーそれぞれについて解説していきましょう。 シャトー・ラフィット・ロートシルト 1855年にメドック格付けがなされた当時、最も取引価格が高かったシャトー。その昔、ヴェルサイユ宮殿で毎夜開催された晩餐会で振る舞われ、ルイ15世も嗜んだことから“王のワイン”とも呼ばれていたそうです。現在でも、五大シャトーの筆頭との呼び声が高く、特に長期熟成を経たものはボルドーの真髄とも言えるエレガンスを放ちます。 シャトー・マルゴー 1855年の格付けでテイスティングが行われた際、唯一の満点評価を取得。イギリス初代首相ロバート・ウォルをはじめ、文豪ヘミングウェイはその名を娘に付けるほど寵愛するなど、各界の著名人を唸らせてきたシャトーです。かつての総支配人が、“ベルベットの手袋の中の鋼鉄の拳”と評した、気品がありながらも強さとしなやかさを備えた味わいが魅力です。 シャトー・ラトゥール エチケットに描かれた“塔”がシンボルマーク。この塔は畑に実際に建てられており、15世紀頃、海賊の攻撃から身を守るため造られた要塞の跡地に、17世紀に建立されました。世界で最も凝縮感があるとも言われる力強い味わいが特徴で、豊かなタンニンを感じることができます。 シャトー・オー・ブリオン メドック格付けで唯一例外的に、グラーヴ地区にありながら格付けに加えられたシャトー。ワインの製法に「澱引き」や「補酒」を導入した先駆者としても知られており、その香味は五大シャトーの中で最も香り高いとも賞されています。カベルネ・ソーヴィニヨンよりもメルロの比率が高くなるヴィンテージがあるなど、メドック地区のシャトーとは違った側面も見られます。 シャトー・ムートン・ロートシルト 1855年には2級格付けだったものの、その後、1973年に1級に昇格。100年以上も変更されることのなかったメドック格付けの慣例を、4世代に渡る努力の末に打ち破った唯一の存在です。その味わいは、濃厚かつ豪勢。ダリやシャガール、ミロといった芸術家の作品を起用した、年ごとに替わるエチケットもコレクターを愉しませています。 その他の高級ボルドーワイン 五大シャトー以外にも、ボルドー地方には世界的に価値を認められたシャトーが多数存在します。五大シャトーの項で少し触れましたが、ボルドー地方では、中心部に流れるジロンド川を境に、産地が「右岸」と「左岸」に分けられているのが特徴。シャトー・ペトリュス、シャトー・シュヴァル・ブラン、シャトー・オーゾンヌを加えて、「8大シャトー」と呼ばれることもあります。 シャトー・ペトリュス ボルドーワインの最高級品を生産。ドルト―ニュ川流域にある、ボルドーの右岸を代表するシャトーです。小規模な生産者であることと、ポムロール地区には格付けがなく、市場評価が値段に直結するため、五大シャトーよりも高値で取引されています。早飲みに仕上がる傾向のメルロー品種を主として用いながらも、数十年の超長期熟成ワインを仕立てる手腕に定評があります。 シャトー・ル・パン ポムロール地区で、シャトー・ペトリュスと肩を並べる存在。生産数が非常に少なく、状態の良いオールドヴィンテージは特に入手困難とされています。1982年が初ヴィンテージながら、1990年代にはすでにボルドーのスターワインとして名を轟かせており、その異例の出世スピードは“ポムロールの奇跡”と語り継がれています。メルローを主体とした、溢れ出るようにゴージャスな果実の旨みが特徴。 シャトー・オーゾンヌ ボルドー右岸の主要地区である、サン・テミリオン地区の代表格。生産量が少なく稀少でありながら、ペトリュスに比べればかなり安価なため、世界中にファンを持つシャトーです。カベルネ・フランを主体とした、多層的な味わいが特徴。タンクではなくオークの小さな新樽によるマロラクティック発酵や、無濾過製法など、独自のこだわりが光ります。 シャトー・シュヴァル・ブラン シャトー・オーゾンヌと双璧をなし、サン・テミリオン地区のトップに君臨。カベルネ・フランを多く使用した、深いコクと力強さ、またポムロール地区に近いことから、ねっとりとリッチな酒質も併せ持っています。瓶詰め時点から、年を経るごとに変化を楽しめる幅広い飲み頃も特徴です。 シャトー・ディケム 「フランス貴腐ワインの最高峰」と賞賛されるシャトー。ボルドー左岸、ガロンヌ川の支流に位置するソーテルヌ地区で、ただひとつ最高位の格付けを得ています。貴腐菌が付着した白ブドウの完熟度合いを見ながら、毎年平均5~6回に分けてひと粒ずつ手作業で収穫を行うなど、多大な手間と時間をかけて生産されるため、高値で取引されています。とろけるように甘美な味わいで、熟成ポテンシャルも非常に高い傾向にあります。
大阪でウイスキー高額査定の秘訣と信頼できる業者選び

大阪でウイスキー高額査定の秘訣と信頼できる業者選び

大阪でウイスキーの買取を考えているあなたへ。 洋酒の「マッカラン」「ボウモア」や、ジャパニーズウイスキーのサントリー「山崎」「響」といった人気銘柄を中心に、あなたがお持ちのウイスキーを最大限の価格で売却するためのガイドを提供します! 市場動向や買取のコツ、信頼できる買取業者の選び方を徹底解説!この記事を読めば、納得のいく取引が実現できること間違いなしです!! ウイスキー買取の基本知識 ウイスキー市場の現状と背景 ウイスキーの種類とその価値 大阪で高額査定を得るための準備 ウイスキーの正しい保存方法 査定前に確認すべきポイント ウイスキーの希少性と価値の関係 信頼できる買取業者の選び方 買取業者の信頼性を見極めるポイント 大阪のおすすめ買取業者とその特徴 成功事例と実際の流れ 限定版ウイスキーの高額買取成功事例 コレクション売却での成功事例 高額買取を目指すために 実際の査定から売却までの流れ ウイスキー買取の基本知識 ウイスキー市場の現状と背景 ウイスキー市場は現在、特に日本産ウイスキーの評価が高まっており、サントリー「山崎」や、ニッカ「竹鶴」、イチローズモルトなどが国際的な評価を得ています。 大阪では多くの業者がこのブームに乗じて、ウイスキー買取に力を入れており、高額査定が期待できるエリアとなっています。 ウイスキーの種類とその価値 ウイスキーには、「山崎」「余市」などのシングルモルト、「ジョニーウォーカー」のようなブレンデッドウイスキーなど、種類はもちろん、年代によっても価値が異なります。 「山崎 18年」や「竹鶴 21年」といった熟成期間の長いウイスキーや、「鶴」のような希少な銘柄は、特に高額査定が期待されます。 特に、限定版や長期熟成のウイスキーは高額査定の対象となりやすいです。市場価値が急騰している銘柄を理解することが、買取を成功させるカギとなります。 大阪で高額査定を得るための準備 ウイスキーの正しい保存方法 ウイスキーを高額査定に導くためには、保存方法が極めて重要です。特に、「軽井沢 能」や「山崎」のようなデリケートなウイスキーは、直射日光を避け、適切な温度と湿度で保管することが必要です。 こうした管理で品質を維持することは、査定額を最大化するためにとても重要なことです。 査定前に確認すべきポイント 買取査定の前には、ボトルや外箱の清掃、付属品の確認を行いましょう。特に希少な銘柄は、細部にわたる配慮が必要です。 また、複数の業者に査定を依頼し、最適な業者を選ぶことが高額査定への近道です。 ウイスキーの希少性と価値の関係 希少性はウイスキーの価値を大きく左右します。「山崎 50年」や「マッカラン 25年」といった限定版や廃盤品は、その希少性から高額で取引されることが多いです。 市場の動向を把握し、希少性の高いウイスキーをタイミングよく売却することが重要です。 信頼できる買取業者の選び方 買取業者の信頼性を見極めるポイント ウイスキーの買取において、信頼できる業者を選ぶことは非常に重要で、難しいことです。 「山崎」や「竹鶴」のような高価な銘柄を安心して預けるためには、口コミや評判、業者の実績をしっかり確認しましょう。特に、査定士の経験が豊富である業者を選ぶことが大切です。 大阪のおすすめ買取業者とその特徴 大阪でウイスキーを高額買取してもらいたいなら、信頼できる業者を選ぶことが肝心です。 当社では、長年の実績と顧客からの高い評価を持つ業者として、パスワークは大阪の多くのお客様に選ばれています。 専門の査定士が丁寧に査定し、納得のいく価格をご提示します。 成功事例と実際の流れ 限定版ウイスキーの高額買取成功事例 例えば、大阪在住のAさんは、「山崎 25年」を高額で売却しました。 保存状態が良好で、ラベルや外箱も非常に綺麗な状態だったため、複数の業者から高い査定額が提示され、最終的に市場価格以上で取引が成立しました。 この事例から、保存状態と複数業者への査定依頼の重要性を学ぶことができます。 コレクション売却での成功事例 Bさんは、「ニッカ」シリーズを中心としたコレクションを一括で売却し、非常に高額な査定を得ました。 市場調査(様々な業者に査定依頼)を行い、適切なタイミングで売却を決定したことが成功の鍵でした。一括売却によって得られるメリットと、それに伴う査定額の向上が見込まれます。 高額買取を目指すために 高級ウイスキーを最高の価格で売却するためには、保存状態を最良に保ち、信頼できる業者を選ぶことが重要です。 この記事で紹介したポイントを押さえ、納得のいく取引を目指しましょう。 実際の査定から売却までの流れ ウイスキーの買取プロセスは、査定、契約、代金支払いという流れで進行します。特に限定品は、専門の査定士によってその価値をしっかり評価されます。契約内容をしっかり確認し、買取証明書を保管しておきましょう。 他社の査定にご不満の際はぜひ、パスワークにご相談ください。
コニャックの魅力と、バカラクリスタルとの関係について

コニャックの魅力と、バカラクリスタルとの関係について

エレガントな琥珀色が、飲む者を魅了する「コニャック」。世界中で愛され、貴重なボトルには数十万円もの値段が付きます。今回はその理由を、代表銘柄とともに解説します。 コニャックとは? 味わいは“雑味がなく上品” 「バカラのクリスタルボトル」はなぜ高価なのか クリスタルガラスと、通常のガラスの違い 酒の味わいに寄与する面も 代表銘柄紹介 ヘネシー レミー・マルタン マーテル カミュ 高い価値を持つコニャックは他にも多数 コニャックとは? コニャックは、「ブランデー」の中の一カテゴリ。ブランデーとは、「果実を原料にした蒸留酒」の総称です。ブランデー=ブドウ酒というイメージが強いですが、これは厳密には「グレープブランデー」と言います。ブランデーにはそのほか、リンゴ、洋梨、さくらんぼなどを原料にしたものがあります。 コニャックはブランデーの中でも、赤ワインで有名なフランス・ボルドー地方北部にある「コニャック地方」で造られたものを指します。ちょうど、シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインをシャンパンと呼ぶのと同じですね。コニャックにも、名乗るためにクリアしなければいけない規定がいくつもあります。 味わいは“雑味がなく上品” コニャックにはおもに「ユニ・ブラン」という白ブドウが使われます。まず白ワインを醸造、それを単式蒸留機で2回蒸留し、アルコール度数を高めます。樽熟成は3年以上、フランス・リム―ザン地方産のオーク樽をメインに活用し、このオーク樽から出た色素によって、コニャックは魅惑的な琥珀色を帯びるのです。味わいは全体的に、“雑味なく上品な香味”になる傾向があります。 「バカラのクリスタルボトル」はなぜ高価なのか 高級ブランデーの代名詞のひとつとなっている、「バカラ社のクリスタルボトル」。空き瓶のコレクターがいるほど、ボトルだけでも価値がある背景には、単なる稀少性やブランド価値にとどまらない、確たる理由があります。 クリスタルガラスと、通常のガラスの違い そもそも、クリスタルガラスと通常のガラス(ソーダガラス)の違いは何なのでしょうか? クリスタルガラスの大きな違いは、「酸化鉛」という物質が含有されていること。これを加えることで、ガラスの透明度、光の反射率・屈折率が上がり、まるで水晶(クリスタル)のような輝きが得られるのです。酸化鉛の含有率によって、「フルレッドクリスタルガラス(含有率30%以上)」、「レッドクリスタルガラス(含有率24%以上)」、「セミクリスタルガラス(含有率10%前後)」と名称分けがなされています。ちなみに「レッド」とは英語で鉛(Lead)という意味です。 一般に酸化鉛の含有率が高いほど、加工に技術を要すると言われており、バカラクリスタルはフルレッドクリスタルを採用。品質チェックも厳格なことから、熟練の職人の技をもってしても、製造したうちの6割ほどしか市場に出荷されず、残りは破棄されるのだそうです。したがってバカラ製品には、メーカー主催のB級品やアウトレットが存在しません。 酒の味わいに寄与する面も さらに、クリスタルガラスの表面には、ミクロレベルの微細な凹凸が生まれるのも特徴。表面がつるつるの通常のガラスと違い、この凹凸によって、液体がガラス表面に長く留まり、またガラスの表面積が大きくなることで、ブランデーの香りを際立たせ、味をまろやかにすると言われています。ワイングラスでも重宝されることが多い背景には、このような機能的な側面もあるのです。 製造面で非常に手間とコストがかかること。機能面での優秀さ。ブランドの伝統だけでなく、これらの要因もまた、バカラクリスタルが高値で取引される大きな理由となっています。 代表銘柄紹介 ヘネシー 1765年、リシャール・ヘネシー氏によって創業。コニャックにおける最大手の生産者で、その規模はコニャック市場の約4割にも及びます。現在は、「モエ・エ・シャンドン」「ドン・ぺリニヨン」などで知られる、「モエ ヘネシー ディアジオ」が所有しています。 その特徴はまず、伝統に裏打ちされた豊富な原酒。その数は数十万樽におよび、中には200年以上熟成させた原酒もあるのだそうです。それらを、代々マスターブレンダーを務める「フィリュー家」一族が、門外不出の技術で精密にブレンドしています。熟成には、樹齢100年以上のフレンチオーク樽を使用することで、きめ細やかな味わいを実現。また、高級品だけでなく、安価で親しみやすいボトルをラインナップしていることも、世界的に愛されている理由のひとつです。 レミー・マルタン コニャック地方のワイン農家だったレミー・マルタン氏が、1724年に自身の名を冠したコニャック造りを開始。そのわずか14年後には、フランス国王ルイ15世から高く評価され、その存在が広く知られることになりました。 最大の特徴は、ブドウの土壌への並々ならぬこだわり。使用するブドウは、全ラインナップに渡り、コニャック地方で最上級のグランド・シャンパーニュと、その次のプティット・シャンパーニュで造るブドウに限定されています。また、蒸溜前のろ過をあえて行わない「リーズ蒸留法」によって、独特のコクのある味わいを実現。1000種類以上の原酒をブレンドしていると言われる最高級品「レミー・マルタン ルイ13世」は、バカラクリスタルを用いたボトルの代表格でもあります。 マーテル 1715年創業。大手のコニャック生産者の中で最古の歴史を持っており、その伝統を重んじた製造法で、数々の名作を生み出してきました。 代表銘柄は、「マーテル コルドンブルー」。かつて騎士団に贈られた“最高栄誉の勲章である青リボン”を銘柄名に冠し、1912年に誕生して以来、現在では“伝説のコニャック”として継承されています。コニャック地方の中では小規模ながら、稀少価値の高い土壌を持つ「ボルドリー地区」のブドウを贅沢に使った、エレガントかつ複雑な味わいが魅力です。 カミュ 1863年以来、5世代にわたってカミュ一族によって運営されてきた、現在では唯一の大手家族経営メゾン。 コニャック地方で最も狭い「ボルドリー地区」に多くの畑を所有し、収穫されるブドウの、力強いフローラルな香りを活かした原酒が持ち味です。「カミュ ボルドリー XO」は、そんなボルドリー地区のブドウで造られた原酒のみを使用した一本。オーク樽での長期熟成により、すみれの花やヘーゼルナッツ、シナモン、ポートワインなどさまざまな個性を見せてくれます。また、総じて香味が柔らかく、口当たりもまろやかなことから、日本人の舌に合うコニャックと評されることもあります。 高い価値を持つコニャックは他にも多数 高級品のイメージが先行するコニャックも、その背景を知れば、より深いリスペクトをもって接することができそうです。高価買取を行っている銘柄は他にもまだまだありますので、ぜひ気軽にお問合せください。
メモ必須!リーデルグラスとワインの組み合わせ

メモ必須!リーデルグラスとワインの組み合わせ

今回は、前回の「リーデルとワイングラスの歴史」に続き、ワイン好きの誰もがご存じのグラスメーカー「リーデル」に関する特集の第二弾です! 今回は、メモ必須!ブックマーク必須!の誰かに教えたくなる「リーデルグラスとワインの組み合わせ」を中心にリーデルグラスの魅力を存分にお届けさせていただきたいと思います。 ワインのみならずウィスキーや日本酒に関しても触れさせていただいておりますので、ぜひ最後まで楽しんでください! ワイングラスの今と昔 メモ必須!リーデルグラスとワインの組み合わせ シャンパン ピノ・ノワール シャルドネ ワイン以外の飲み物とグラスの組み合わせ リーデルを選ぶ理由 ワイングラスの今と昔 リーデル(REDEL)の歴史に関しては、前回の記事をぜひご覧ください! 今回は、ワイングラスの今と昔ということで、どのように変化してきたのかをリーデルグラスの種類と一緒にご紹介させていただきます。 まず、前回の記事でもお伝えしましたが、9代目クラウス・ヨゼフ・リーデルがブルゴーニュ・グラン・クリュを発明する1950年代まで、ワイン専用のグラスはこの世に存在しませんでした。 それまでは、汎用性のあるグラスで、主にクープ型(平たいワイングラス)が主流でした。ちなみに、かのマリー・アントワネットが愛用していたグラスもこのクープ型。 よく、「フルート型は泡がきれいに立ち上がる」「表面積が少ないため炭酸が飛びにくい」など言われていますが、実は、ここに今と昔を比較することができます。 まずは昔、王族や貴族には甘口なシャンパンが好まれる時代でした。クープ型で口の広いグラスにワインを注ぎ、庶民が口にする味気のないクッキーやパンなどを甘いシャンパンにつけて食べられていたという説もあります。何よりも見た目にも美しくマリー・アントワネットが愛用したのにも納得です。 首を反らすことなく唇をそっとつけるだけで飲めるその美しい所作から、今なお結婚式などの式典や乾杯のシャンパンでは、このクープ型グラスで振る舞うことがあります。 そして今、時代と共に辛口シャンパンが主流になると、口元が狭いフルートグラスが主流に変化します。これは、現代的な繊細な香りや泡を凝縮することができるためです。 そのシーンや時代に合わせてグラスの形状も変化する。 とても面白いですよね! メモ必須!リーデルグラスとワインの組み合わせ 前述では、シャンパンを例にグラスとの組み合わせをお話しさせていただきました。ここからは、お待ちかねの「ワインとリーデルグラスの組み合わせ」をお届けさせていただきます。 お好きな品種や、グラスが見つかりましたら我々パスワークも大変嬉しく思います!それでは、代表的な3種をそれぞれご紹介させていただきます。 「リーデル・ファット・ア・マーノ」:シャンパーニュ イタリア語で「手作り」を意味する「ファット・ア・マーノ」。 ヴェネチアンガラスの伝統技法と最新テクノロジーの融合で生まれた色彩豊かなブドウ品種別グラスシリーズです。カラフルなステムは、豊富なカラー展開があり、テーブルコーディネートをお楽しみいただけます。 香水として持ち歩きたくなるようなシャンパーニュの華やかな香りや、果実味をより一層楽しめるような設計になっており、近年販売されているシャンパーニュとは抜群の愛称のグラスです。筆者も愛用するグラスで、1つのグラスが出来上がるまでに25人以上の職人の手を経て調整される宝玉の一品です。ハンドメイドならではの「あなただけのシャンパーニュグラス」として手に入れてみてはいかがでしょうか。 「リーデル・ヴェリタス」:ピノ・ノワール 人気のブドウ品種で、ワイン別におすすめしたいグラスは数多くありますが、続いてご紹介するのは、コストパフォーマンスに優れたマシンメイドのリーデルグラスになります。様々なピノ・ノワールの飲み比べや日常利用していただきたいグラスです。 しかし、その見た目はハンドメイドと見違えるほど細く美しいステムは、プレートとの繋ぎ目も目立ちません。 2年以上のリサーチとシャトーとのテイスティングを繰り返し設計されたグラス。  垂直に立ち上がるリムのおかげで、香り・味わい、さらには見た目にもエレガントなワイングラスです。 ベースプレートには、ブドウ品種の刻印もあり、特別感を演出してくれます! 「リーデル・ワインウイングス」:シャルドネ 星の数ほどあるのではないかというくらい多くの種類が存在するシャルドネに合わせたいグラスをご紹介させていただきます。シャンパーニュでご紹介した「ファット・ア・マーノ」はもちろんですが、1つでも多くの種類を皆さまにお届けしたいので、ここではウイングスシリーズのシャルドネグラスをご紹介させていただきます。 フラットボトムという最新形状のウイングスシリーズ。空気との接触面は広くしながらも香りを逃さず鼻まで届けることのできるカーブを併せ持つグラスです。 これによってシャルドネのジューシーな香りと樽の香りまた、柔らかな酸味を楽しんでいただけます! また、この種類はステムレスも存在しており、1つ1つにケースが付属するためピクニックや外出先でもグラスを持参しワインを楽しむことができます!ナチュールワインとの相性もいいのでぜひ試す価値のあるグラスです! ワイン以外の飲み物とグラスの組み合わせ ここまで、ワイングラスにこだわりを持って設計されるリーデルグラスが、ワインだけではないのはもうお気づきかもしれませんが、その通り。近年ではワイングラス以外にも、多くの酒種別グラスをリリースしております。 リーデル・オー・シリーズ リーデル・オー・シリーズの中でもおすすめしたいのがビールグラスです。 この「オー・ビアー」というグラスは、なんと日本限定のグラスです。日本のビールメーカーが製造するきめ細かな泡と、モルトやホップの香りで最後の一口まで美味しく飲むことを目的に設計されております。口の広いジョッキなどのグラスは苦味が増すため同じビールでもこのグラスに注ぐだけでワンランク上のビールに大変身! いつものビールが驚きの一杯になりますので、ぜひ体験してほしいグラスです。 エクストリーム<純米> 続いてご紹介するのは、日本酒用グラスです。 初めて製造されたのは、現在は廃盤になっている、リーデル・スーパーレジェーロ<大吟醸>。製造から約10年経ち、テイスティングを重ね、日本酒の繊細で幅の広い味幅から1種のグラスで対応するのが不可能であると英断したリーデルは<大吟醸>グラスを廃盤にし、純米を発表。10年にも及ぶ設計の賜物は、騙されたと思って飲んでみてください。笑 今までの日本酒の概念が覆ります。 リーデルを選ぶ理由 最後までお読みいただきありがとうございます。 RIEDELのグラスは、飲み物を優先し、グラスに注がれる飲み物に合わせて設計がされているため、他社のグラスとは一線を引いた立ち位置でグラスメーカーとして今なおトップランナーを走っています。 鉛問題などで職人の数も激減する中で、鉛を使用せずグラスを製造することに成功したRIEDELは、その安全性でも職人から愛され、人々からも愛され続ける所以かもしれません。 また、これらの製造方法やガラスの配分はRIEDEL社内でもごく僅かな人間のみが知るトップシークレットだと、元リーデルの方にもお話を伺うことができました。 お酒の買取のみならず、お酒を通して今後とも長くお付き合いをさせていただけましたらと考えております! ぜひお客様の大切なワインやお酒のご売却の際は、「パ!っと買取 パスワーク」までお問合せください!
リーデルとワイングラスの歴史

リーデルとワイングラスの歴史

今回は、第1回ご好評いただいた「バカラグラスの独特な魅力!ワイン愛好家のための選び方」に続き、ワイン好きの誰もがご存じのグラスメーカー「リーデル」に関する特集です! 今回は、なかなか聞くことの出来ない「ワイングラスの歴史」にも触れながら、楽しんでいただきたいと思います。 素晴らしいワインをご存知の皆さまだからこそ、少しマニアックなお話を・・・ぜひ最後まで楽しんでください! リーデルの誕生と世界初のワイングラス 9代目クラウス・ヨーゼフ・リーデルの功績 ブルゴーニュ・グラン・クリュ ソムリエ シリーズ 近年のリーデル ハンドメイドとマシンメイド ハンドメイド マシンメイド マシンメイド(リーデル・ヴェリタス・シリーズ) 次回:ワインとの完璧な組み合わせ リーデルの誕生と世界初のワイングラス リーデル(REDEL)の誕生は、モーツアルトの誕生と同年、1756年に1代目ヨハン・クリストフ・リーデルによって、ボヘミア地方(現在のチェコ共和国)で創立されました。 歴史は進み、5代目のガラス工芸家フランツ・クサファー・アントン・リーデル氏の時代には、ウランを着色剤と使用したウランガラスを製造し、初めて色付きのガラスを製造することに成功。 英国ではこのウランガラスの蝋燭台が作られ女王に献上されるなど、19世紀までにリーデルは、ガラス製品の製造においてヨーロッパ全域で高く評価されていました。 9代目クラウス・ヨーゼフ・リーデルの功績 20世紀に入り、クラウス・ヨーゼフ・リーデルが9代目として会社を継承。 彼は、ブドウ品種ごとに異なる形状のグラスを設計し、グラスの形状・サイズ・リムの直径の理想的な相関関係を割り出しました。芸術家としての豊かな才能と、形状とバランスに対する並外れた感覚を備えていた事で、ワインのためのワイングラスを開発し、そのパイオニア的発明で「現代のワイングラスの父」となりました。 お気づきの通り、この時代まではワイン専用のグラスは存在しませんでした。もちろん、ブドウ品種別のグラスもリーデルが初めて生み出しました。これこそ、ワインのためのワイングラスを製造する唯一のメーカーたる所以です。 「ブルゴーニュ・グラン・クリュ」 ブドウ品種ごとに異なる形状のグラスとして初めて誕生したのが、現在も残るソムリエ シリーズの「ブルゴーニュ・グラン・クリュ」。 その功績は、1950年代から60年代にかけて、数々のデザイン賞を受賞しました。 名前の由来の通り、ブルゴーニュ地方の最高品質のワインを楽しむために設計されたグラスでした。 ソムリエシリーズ 1970年代に入り、クラウス・ヨーゼフ・リーデル(9代目)は、「ブルゴーニュ・グラン・クリュ」をボルドーにあるシャトーに満を辞して持ち込んだところ、「このグラスは、うちのワインには全く合わない。」と一喝。その後、このシャトーと数多くのテイスティングを繰り返し、「ボルドー・グラン・クリュ」が誕生。 このように、農場やブドウ品種、様々なワインに合わせてワインを楽しむことに特化した、世界初、ブドウ品種別形状のグラスシリーズ<ソムリエ シリーズ>として今でも世界中で圧倒的な人気を誇ります。 近年のリーデル リーデル社も10代目に入り、アメリカ市場の重要性にいち早く気づき、大量生産を目的にした初のマシンメイドによるブドウ品種別形状の<ヴィノム シリーズ>の生産をスタート。 これによってリーデルが生んだ機能性ワイングラスの概念がより手ごろなものになり、世界各国で認知されることになります。 また、11代目マキシミリアン・ヨーゼフ・リーデルは2004年に、ブドウ品種別にデザインされたステムレスなワインタンブラー<リーデル・オー シリーズ>を発表し、 これまでの「ワイン=高級な飲み物」というイメージから、「家庭でも気軽にワインを楽しんでもらいたい」という思いで、現代に合わせECサイトを通した直販など、伝統と革新を大切にするブランドとして、その存在を明確にしています。 そして、現在もなおワイナリーとの共同開発がほとんどで、またハンドメイドでつくられる<ソムリエ シリーズ>は、コレクション性もあり人気のグラスです。 ハンドメイドとマシンメイド 現在販売されているリーデルグラスが、ハンドメイドかマシンメイドかを簡単に見分ける方法をご紹介します!リーデルのグラスの台座には、ワインを美味しく楽しむための信頼の証として、リーデルのロゴマークが刻まれています。このロゴによって、見分けることが可能です。 ハンドメイド ハンドメイド製品には筆記体のロゴが刻印されています。 ソムリエ シリーズ リーデル・スーパーレジェーロ シリーズ ファット・ア・マーノ シリーズ ファット・ア・マーノ パフォーマンス シリーズ デカンタ マシンメイド マシンメイド製品にはゴシック体のロゴが刻印されています。 ヴィノム シリーズ リーデル・ヴェローチェ シリーズ リーデル・ワインウイングス シリーズ パフォーマンス シリーズ リーデル・ヴェリタス シリーズ エクストリーム シリーズ ワイン シリーズ オヴァチュア シリーズ リーデル・ワインフレンドリー シリーズ SLリーデル・ステムレスウイングス シリーズ リーデル・オー シリーズ ドリンク・スペシフィック・グラスウェア シリーズ タンブラーコレクション シリーズ マシンメイド(リーデル・ヴェリタス・シリーズ) マシンメイドの中でも、<リーデル・ヴェリタス シリーズ>には、ブドウ品種まで刻印され低価格でありながらも、特別感を演出してくれます。 また、ハンドメイドと見間違えるほど細く、美しいステムが目を引くこのシリーズで、リーデルのベストセラー<ヴィノム シリーズ>より背高・軽量、台座とステムの繋がりの凹凸も少なく、マシンメイドとは思えないほどの非常に繊細な仕上がりとなっています。 次回:ワインとの完璧な組み合わせ ここまでお読みいただいた方は、もうリーデルがワイングラス界では、圧倒的な存在だということは、お分かりいただけたと思います! リーデルは、ワイングラスを製造する上で、工芸品としての美しさ(デザイン性)などだけではなく、ワインを一番美味しく飲むためのグラスを製造するメーカーです。 そして、他社のグラスメーカーとの違いでもあり、独自性でもある「ワインのためのワイングラスを製造する唯一のメーカーがリーデル(RIEDEL)」なんです! いかがだったでしょうか。 パスワークでは、専任のスタッフがお客様の大切なワインを一本一本丁寧に査定・買取りさせていただいております。 その中で得た知識や情報を、皆さまにご共有させていただくことで、今後とも長くお付き合いをさせていただけましたらと考えております。 ぜひお客様の大切なワインのご売却の際は、「パ!っと買取 パスワーク」までお問合せください! 次回は、実際のグラスとワインでのおすすめの組み合わせをご紹介させていただきます。ぜひ、お楽しみに!
「シャンパン」が、ほかのスパークリングワインより特別な理由

「シャンパン」が、ほかのスパークリングワインより特別な理由

食前酒としてはもちろん、シュワシュワと弾ける細かい泡がお祝いのシーンに華を添えてくれるシャンパン。今回はそのルーツをはじめ、ほかのスパークリングワインとの違い、代表的な銘柄をご紹介します。 「シャンパーニュ地方」だけで造られるスパークリングワイン シャンパンの起源 日本に伝わったのはペリー来航時 シャンパンが高価な理由 代表銘柄紹介 ドン・ペリニヨン ペリエジュエ(ベル・エポック) クリュッグ ほかにも高価買取銘柄が多数 「シャンパーニュ地方」だけで造られるスパークリングワイン シャンパンとは、フランスの北東部にある「シャンパーニュ地方」で造られるスパークリングワインのこと。スパークリングワインとは、おもに瓶内二次発酵によって炭酸ガス(泡)を生む製法が特徴的な発泡性ワインです。スパークリングワイン=シャンパン、ではなく、フランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインだけが、シャンパンを名乗る資格を有します。 シャンパンの起源 フランスのシャンパーニュ地方は、ブドウが栽培できる土地としてはほぼ北限にあたる寒い地域。そのため、育つブドウは糖分が少なく、色素も薄いため、白ワインの生産地として歴史を歩んできました。 世界初のシャンパンが誕生したのは1660年頃。シャンパーニュ地方の白ワインのおもな輸出先となっていた、イギリスで生まれたと言われています。2~3月の厳冬のシャンパーニュ地方から、白ワイン樽が船便でロンドンへ送られる際、ワインは言わば冬眠した状態。それがロンドンに着き、春になり暖かくなってくると、酵母が冬眠から目覚めて自然と樽の中で二次発酵が始まり、シュワシュワと泡の出るワインになった、というのがルーツとされています。 日本に伝わったのはペリー来航時 日本人がシャンパンを知るきっかけとなったのは江戸時代。1853年、旗艦サスケハナ号で浦賀港に来航したペリー提督が、浦賀奉行にフランス産のシャンパンを振る舞ったという記録が残っています。明治期にはすでに、鹿鳴館の夜会などで最高級のシャンパンが飲まれていたそうです。 シャンパンが高価な理由 シャンパンは、ほかのスパークリングワインに比べて高値で取引される傾向があります。 その理由はまず、シャンパーニュ地方は寒冷な地域であり、ブドウの生育にコストがかかるため。加えて、シャンパンを名乗るための様々な規約がフランスのワイン法で定められており、それらを全てクリアする必要があるためです。たとえば、高品質に仕上げるためにブドウを優しく搾ることが義務付けられており、ブドウから採れる果汁の総量はどうしても少なくなります。さらに、ほかのスパークリングワインに比べて最低熟成期間が長いので、市場への流通量に限界があるのです。 代表銘柄紹介 ドン・ペリニヨン “シャンパンの元祖”である、ドン・ぺリニヨン。シャンパーニュ地方のオーヴィレール修道院の酒庫係を担当した、ヴェネディクト派の修道士であるドン・ピエール・ぺリニヨン氏によって17世紀に立ち上げられたシャンパーニュ・メゾンです。1680年、ワインのガラス瓶にコルク栓を打ち、瓶内で二次発酵させる方法を開発し、現在に続くシャンパンの原型を完成させました。その後、異なる畑で獲れたブドウや、白黒のブドウをブレンドする「アッサンブラージュ」という技法によって、寒い地域で育ったブドウの酸味を和らげることにも成功しています。 ブレンドするのは、同じ年に採れたブドウのみ。さらに最低熟成年数を8年とする長期熟成によって、複雑かつ均整のとれた味わいを実現。このヴィンテージへのこだわりが、高値で取引される要因のひとつとなっています。 ペリエジュエ(ベル・エポック) 1811年創業の老舗シャンパーニュ・メゾン。従来シャンパンに採用されることの少なかったシャルドネ種をメインに用いた、エレガントなシャンパンが世界中のセレブリティを席巻しました。フランス皇帝ナポレオン三世をはじめ、イギリスのヴィクトリア女王、ベルギー王室など、各国王室からの寵愛も厚いメゾンです。 シャルドネを軸に、ピノ・ノワールなどのブドウ品種をブレンド。白い花や洋ナシを思わせるフレッシュで洗練された印象で、白いアネモネが描かれた瀟洒なボトルが、味わいを見事に体現しています。 クリュッグ 1843年の創業以来6代にわたって、クリュッグ家によってその伝統が守られているメゾン。小規模かつ、一切の妥協を許さない職人気質な生産体制で、世界最高峰に位置づけられるシャンパンを造り続けています。その熱狂的な愛好家は“クリュギスト”と呼ばれ、英国のエリザベス女王や文豪ヘミングウェイ、ココ・シャネルなど数多のセレブリティが、その虜となりました。 「毎年の天候に左右されることなく、最高品質のシャンパンを造り続ける」という初代当主のコンセプトを引き継ぎ、ブドウの収穫年にとらわれずブレンドを行う「マルチ・ヴィンテージ」が大きな特徴。30年以上経過した古樽を使用した長期一次発酵もあいまって、奥行き豊かな味わいと芳香を生み出しています。 他にも高価買取銘柄が多数 今回は、シャンパンはなぜ世界中で重宝されているのか、についてご紹介しました。 ここで取り上げた銘柄以外にも、「サロン」や「アンリ・ジロー」「アルマン・ド・ブリニャック」など、パスワークでは高価買取を行っている銘柄が多数ありますので、まずは気軽にお問合わせください。
バカラグラスの独特な魅力!ワイン愛好家のための選び方

バカラグラスの独特な魅力!ワイン愛好家のための選び方

皆さまこんにちは!パスワークでは、今後買取のみならず、ご利用いただいている皆さまに、もっとお酒を楽しんでいただけるコンテンツをお届けして参ります。少しでも皆様の生活のお役に立てていただけましたら幸いです! 初回の今回は、ワインをはじめお酒を飲む際に必ず必要な道具である「グラス」。その中でも非常に有名で誰もが一度は耳にしたことのあるブランド「 Baccarat (バカラ) 」グラスをご紹介したいと思います! バカラの起源とその製法 ワインとバカラグラスの完璧な組み合わせ シャトー・マルゴー ピノ・ノワール シャンパーニュ 競合ブランドとの比較 バカラの製品種類とその利点 おすすめのワインとバカラグラスのペアリング まとめ:バカラグラスを選ぶ理由 バカラの起源とその製法 バカラは、1764年にフランス王ルイ15世の命により設立されたクリスタルガラス製造所から始まりました。その技術は世界でも類を見ないもので、特に「クリスタルクリア」と称される透明度と輝きは、バカラ製品の象徴とされています。製法は伝統的な手拭きガラス技術に加え、熟練した職人による手作業でのカットが施され、一つ一つの製品に独自の美しさを与えています。 ワインとバカラグラスの完璧な組み合わせ バカラグラスは、ワインの味わいを引き立てるために、その形状・材質が最適化されたグラスです。 例えば、シャトー・マルゴー、ピノ・ノワール、シャンパーニュなど、様々なワインに合わせたグラスの形状があります。 シャトー・マルゴー:「シャトー・バカラ」 フルボディで複雑な味わいとエレガントさを兼ね備えたボルドーのプルミエ・クリュ・クラッセワインです。このような豊かな赤ワインは、ワインの香りと味わいを最大限に引き出すことが重要になります。この「シャトー・バカラ」シリーズは、バカラの中でも特に高級ワインを楽しむために設計されており、ワインの香りをしっかりと捉え、味わいを均等に口の中に広げることができる形状が特徴です。グラスの飲む口が適度に広いことで、空気(酸素)との接触面が増え、ワインの味わい・香りが広がるのを助けてくれます。また、繊細なカットが施されたクリスタルは、テーブル上で美しい輝きを放ち、飲む喜びをさらに高めてくれます。 ピノ・ノワール:「パッション・ワイングラス」 繊細で果実味豊かな赤ワインであり、その繊細な香りを楽しむためには適切なグラスが求められます。 ピノ・ノワールに合うバカラグラスを選ぶ際には、ワインの酸味と、果実のフルーティなフレーバーを最大限に引き出すことができる形状を選ぶことが重要です。 この「パッション・ワイングラス」は、ブルゴーニュ地方ヴージョ村に生まれのジャン・シャルル・ボセワの監修のもと作られたワイングラスです。ピノ・ノワールとシャルドネの発祥の地であり何世紀もの歴史を持つシャトー・デュ・クロ・ヴージョの葡萄畑を眺めながら、幼少期からワインへの情熱を持ち続けてきました。そんな彼が、ピノ・ノワール特有の繊細なアロマと味わいを楽しむためにデザインされています。大ぶりなボウルの形状は、香りをグラスの中で十分にひらかせてくれ、リムが煙突型に立ち上がっていることで、ワインが口の中で均等に広がり、しっかりとした酸味と、果実のフルーティさを感じることができます。さらに、香りにもピノ・ノワールの繊細なフレーバーをより豊かに感じることができます。 シャンパーニュ:「シャンパンフルート」 細長い形状が炭酸を保ちながら、香りを集約させる設計になっています。これは、シャンパーニュの繊細な泡と芳香を長く楽しむことを可能にします。その精緻なデザインと優れた材質は、ワインの風味を引き立てるために緻密に計算されています。これにより、バカラはワイン愛好家にとって必須のアイテムとされており、買取市場でも高い評価を受けています。 このように、様々なシリーズが酒種ごとに設計されております。さらに、その工芸品としても美しいデザインから、多くの愛飲酒家から人気の高いグラスブランドです。 リーデルとヴェネチアングラスの比較 リーデルはワイングラスに特化したオーストリアのブランドで、ワインの種類ごとに最適なグラスを提供することで知られています。一方、ヴェネチアングラスはその装飾的なデザインと色使いで評価されています。バカラはこれらのブランドと異なり、豊かな歴史と最高級の素材使用によるクオリティの高さで差別化を図っています。バカラ以外のグラスに関してもご興味があれば、いずれご紹介する機会が作れればと思います! バカラの製品種類とその利点 バカラは、ワイングラスだけでなく、ウイスキーグラスやデカンタ、花瓶など幅広い製品をラインナップしています。そのすべてが最高品質のクリスタルガラスから作られており、優れた耐久性と美しいデザインが特徴の一つです。バカラのグラスを使うことで、生活の中の「飲む」という体験が特別ものに変わるでしょう。 おすすめのワインとバカラグラスのペアリング バカラグラスのみならず、ワインの種類を考慮することが、ワイングラスを選ぶ際にはとても重要です。赤ワイン用には、ワインの味わいを広げることができるよう、広い口が特徴のグラスが、白ワイン用には、香りを閉じ込める狭い口が特徴のグラスが最適です。中でも、バカラの「マッセナ」シリーズは、ボルドーワインと抜群の相性です! ボルドーワイン:「マッセナ」 豊かなタンニンと複雑なフレーバーを感じ取ることのできる形状が必要になります。ボルドーワインは力強く、濃厚で重厚な赤ワインであり、広い口径と深いボウルが特徴的なグラスを使用することで、ワインが口中で適切に酸素と混ざり合い、その複雑な特徴を十分に発揮できます。また、マッセナシリーズの特徴であるクリスタルガラスの美しさと精巧なカットは、エレガントなテーブルコーディネートを演出します。このグラスを使用することで、ボルドーワインの持つ豊かな果実味、スパイス、そして木のノートなどワインを存分に楽しむことができ、食事とのペアリングをさらに引き立たせてくれます。 まとめ:バカラグラスを選ぶ理由 バカラグラスは、その美しさ・耐久性・独自のデザインで、ワイン愛好家にとって、一度は通る選択肢になっております。リーデルやヴェネチアングラスといった他の高級ブランドと比較しても、バカラはその歴史と技術で一線を画しています。記念日などの特別な日のために、または日常を豊かにするために、バカラグラスは非常に価値のある投資であり、リセールも可能なことから多くのユーザーの所有欲を満たしています。

カテゴリ

FAQ

Q

お酒なら何でも買取してくれますか?

A

開封済みのお酒、賞味期限が切れているお酒は買取できません。基本的には、未開封、賞味期限内のお酒であれば何でも買取出来ますが、商品の内容によっては買取出来ない商品もございますのでご了承下さい。
※ビール・日本酒は、製造より6ヶ月以内の品に限ります。(日本酒の古酒を除く)

Q

査定を申し込んだ場合、どれくらいでお返事もらえますか?

A

基本的に24時間以内にご連絡をさしあげます。土日祝は定休日となりますので、翌営業日にご連絡さしあげます。

Q

お酒は1本からでも買取ってもらえますか?

A

1本からでも買取させて頂きます。しかし買取金額や商品数によっては買取出来ない場合もございますのでご了承下さい。できる限り対応させて頂きますので、まずはご相談下さい。

Q

買取の際に必要なものはありますか?

A

買取時には古物営業法で義務付けられている「ご本人様確認証」(免許証・保険証・顔写真付き証明証)が必要となります。
※宅配買取は身分証のコピーもしくは画像をお送りください。出張買取・店頭買取は弊社スタッフが確認させていただきます。

Q

査定金額が下がることはありますか?

A

実際に商品を拝見させていただいた際に、商品に不備があった場合は減額の可能性がございます。減額の場合には、担当スタッフにより減額に対するご説明をさせていただきますので、ご安心くださいませ。

Q

買取依頼をお願いしたけど、キャンセルしたいのですが?

A

査定額にご納得頂けない場合は、キャンセルして頂いて構いません。キャンセル費用をいただくこと等は一切ございませんので、ご安心下さい。

Q

未成年でも買取を利用出来ますか?

A

申し訳ございませんが、20歳未満の方は、買取を一切お受けしておりません。

Q

お酒の買取金額って安くないですか?

A

一般的に買取相場は需要と供給で成り立っておりますので、お取引相場をみて査定を致します。また、もし他社様と比較して安かった場合は是非ご一報ください。必ず査定金額の見直しをさせて頂きます。

Q

余剰在庫を引き取ってもらえますか?

A

法人、個人事業者様からも買取を行っております。秘密厳守で迅速に対応致しますので、何でもお気軽にお問い合わせ下さい。

Q

個人情報が心配なんだけど大丈夫ですか?

A

当店では個人情報の重要性を認識し保護の徹底に努める事をお約束致します。ご本人様確認で確認した個人情報は古物営業法で定められた記録の為のみに使用します。 ⇒ 個人情報の取扱について

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  • ワイン

    ワイン

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  • シャンパン

    シャンパン

    ドンペリ、モエ、クリュッグ、ルイ・ロデレール、記念ボトルや希少シャンパンなど

  • ブランデー

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    3Mと呼ばれる森伊蔵、魔王、村尾などのプレミアム焼酎や泡波のような幻の泡盛まで

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    プレミア価格のついた十四代や黒竜、而今など種類銘柄問わず、地域の地酒も

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    リキュールや年代物の茅台酒や中国酒、グラス類等の什器備品類まで