グレンエルギン(GLEN ELGIN)は、1898年、ウイスキーブームの後期に創業しました。蒸留所は著名な蒸留所建築家であるチャールズ・ドイグ・オブ・エルギンにより設計・建築されました。 今日でもエルギン蒸留所では、夏にはイワツバメがウォームタブの間を飛び回り、100年以上の間、ほとんど変わっていないかのようなのどかさがあります。

グレンエルギンは、スペイサイド特有のスムーズかつ甘美なハチミツの味わいをもつシングルモルトです。やわらかな天然水は、蒸留所の南東に位置するミルビュイー・ロッホ（湖）近辺からひいています。目を閉じてグラスの香りを嗅げば、蜂が花々に受粉する光景が浮かび、ハチミツのような甘さとモルティな香味が口の中を支配します。ブレンデッドウイスキーであるホワイトホースの原酒のひとつとしても有名です。ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン氏は、著書『モルトウイスキー・コンパニオン』において「グレンエルギンは将来的にシングルモルトで栄えていくだろう」と述べています。また、ウイスキーのジャーナリストであるチャールズ・マクリーン氏は、「あまりにも長い間隠されていたすばらしいモルト」と評しています。

グレンエルギン蒸留所があるのは、スペイサイド地方のエルギン地区。現在この地区では10か所の蒸留所が操業をしていますが、その中では最南端に位置していて、町の中心からもっとも離れているのがこのグレンエルギンです。 グレンエルギン蒸留所の立地条件は非常に恵まれており、グレン川の豊富な水を動力源としてタービンを回していたため、1950年までは電力を全く必要としませんでした。

分類

スコッチウイスキー

タイプ

シングルモルト

品種

大麦、酵母

原産国

イギリス（スコットランド）

地区

スペイサイド

創業は1898年。当時世界中の資本主義諸国は、大恐慌の真っただ中でした。グレンエルギンもその波をまともに被り、規模縮小等の建設計画の変更を余儀なくされます。結局蒸留所が完成したのは1900年になってからで、同年の5月にどうにか操業を開始することができました。なおグレン・エルギンは、スペイサイド地方で19世紀に建てられた最後の蒸留所としても知られています。その後1959年にトーモア蒸留所ができるまでの約60年間、スペイサイドでは一つも蒸留所は建設されていません。