メーカーズ・マーク(Maker’s Mark)は、アメリカで一番小さな蒸留所で造られています。資産の限られた小さな企業だったため、創業当初の営業はもっぱら地元を中心に行われました。マーケティングの予算があるわけではなく、広告や販売促進に回す資金などはゼロに等しかったそうです。しかし、「資金的に恵まれていたとしても今日の結果は同じだっただろう」と、現社長のビル・サミュエルズジュニアは云います。メーカーズ・マーク創業者で父親のビル・サミュエルズシニアは、丹精込めて芸術的といわれるほどに仕上げた作品（製品）を、商業的な戦略で売り込むことを潔しとしませんでした。彼は「上質な製品にはおのずから結果がついてくる」と信じており、その信条を頑として曲げなかったのです。したがってメーカーズ・マークはビル・サミュエルズシニア個人の人脈を通じて、口コミでその名を知られるようになりました。

まずは、ケンタッキーの競馬場に集うごく限られた人達の間で徐々に人気を集め始めます。そして、そのまろやかな味に満足した人々を通じて、バーからバーへ、友人から友人へと広がっていきました。こうしたビル・サミュエルズシニアの信条はメーカーズ・マーク社のポリシーとして今日まで一貫して守り続けられています。時代とともにマーケティングの手法は変っても、飲み手に直接働きかけ、その絆を大切にする考え方が変ることはありません。手をかけ、特別につくりあげたメーカーズ・マークにふさわしい販売方法です。現在も顧客の大半の人々は、友人に奨められてメーカーズ・マークを飲み始めます。広告も以前より増やしていますが、メーカーズ・マークを知ってもらうには口コミが一番という姿勢は変りません。

分類

アメリカン・ウイスキー

タイプ

バーボン・ウイスキー

品種

トウモロコシ、ライ麦、酵母

原産国

アメリカ

地区

ケンタッキー

メーカーズ・マークの特徴はボトルの一つ一つにしてある封蝋。これら封蝋は現在でも全て手作業でおこなわれている為、それぞれのビンによって微妙に形が違います。また、封蝋の方法に個性がでるため「これは○○さんの封蝋」など誰による封蝋か見分けることができるそうです。